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HNの意味 サイレンススズカ編 ②宝塚記念 - グローリーサンデーの競馬日記
10月11日 G2 毎日王冠 [東京 1800m]
鞍上が再び武豊騎手に戻り、当初の予定であった天皇賞・秋を目指すこととなった。しかし強力な4歳馬が立ち塞がる。朝日杯3歳ステークス[中山 1600m](現 朝日杯フューチュリティステークス 阪神 1600m)を制し、その後右後脚の第3中手骨を骨折のため休養していたグラスワンダーと、NHKマイルカップ[東京 1600m]を制したエルコンドルパサーだ。しかもどちらも負け無しとなっている。サイレンススズカも古馬になってからは無敗。この後毎日王冠というG2の舞台にも関わらず、無敗馬3頭の直接対決となった。ただ、グラスワンダーとエルコンドルパサーはこれまで的場均騎手が主戦騎手だった。的場騎手がどちらに乗るかも注目されていたが、グラスワンダーに騎乗することに決まった。乗り替わりとなったエルコンドルパサーには、蛯名正義騎手が騎乗した。また、斤量は別定のため、グラスワンダーが55kg、エルコンドルパサーが57kg、サイレンススズカは59kgというトップハンデが課されることとなった。
迎えた当日。東京競馬場には133,461人という大勢のファンが駆けつけた。やはり人気はサイレンススズカが1番人気。続いてグラスワンダーが2番人気、エルコンドルパサーが3番人気と続いた。
レースは、断然サイレンススズカが好スタートを切り逃げた。グラスワンダーは久々が効いたのか、スタートを出遅れてしまう。大欅辺りでグラスワンダーが早めに仕掛け、それに続き各馬勝負を仕掛けた。向こう正面に入るとサイレンススズカと後続馬の差はそれほど無かった。しかしそこからサイレンススズカの本領が発揮された。3F時計35.1という上がり足で加速。早めに仕掛けたグラスワンダーは残り300辺りで突き放される。エルコンドルパサーも外に寄れる程の猛追を魅せるが、差が縮まらず。「どこまで行っても逃げてやる!!」フジテレビ青島アナの実況が代名詞ともなったこのレースの決着は、サイレンススズカがエルコンドルパサーに2馬身を付け快勝。鞍上の蛯名正義騎手はレース後のインタビューにて、「影さえも踏めなかった」と語っていた。3着には安田康彦騎手鞍上のサンライズフラッグ(4番人気)が入線、グラスワンダーは5着と入線した。
この激闘はファンからはG1と遜色ないG2のレースを、スーパーG2として名されている。過去の例として、1988年に行われた同舞台である毎日王冠は、イナリワン・オグリキャップ・メジロアルダンの3強対決となり、オグリキャップがイナリワンとの叩き合いを制した。1996年に行われた阪神大賞典も紹介する。1994年に三冠馬となるも成績が下降していたナリタブライアンと1995年の菊花賞馬であり、有馬記念でナリタブライアンを下したマヤノトップガンが相まみえたレースだ。最終コーナーからゴールまでの2頭の叩き合いは3着馬に9馬身をつけるほど。結果はナリタブライアンが三冠馬としての意地を魅せたのかマヤノトップガンを下した。
上記の2例は各馬別のレースで相まみえてはいるが、今回の3頭は一生で一度の対戦となった。
グラスワンダーは後にダービー馬、スペシャルウィークと宝塚記念・有馬記念にて激闘を魅せることとなる。
エルコンドルパサーもジャパンカップを制し、海外へ挑戦。凱旋門賞2着という成績を残した。国内はこの毎日王冠以外は勝利している。